分割払い(後払い)の進化と個人情報 1
自動車販売(市場)の売掛管理機能分化にみる
(下記で背景が白の場合、売買を視野に入れて説明)
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自動車は、分割払いにより大衆化を果たした、代表的な高額商品ですね |
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また、1台1台が、登録され、国が管理している珍しい商品でもある。
ということは、登録番号を、キーに、所有者、使用者を特定できる。
すなわち、、主役は、車ですが、すべてに背番号がついているということだ。
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つまり、所有者たる人間、つまり、国民も背番号が付いているのと、ほぼ同じ。 |
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自動車産業の規模をみると、巨大で、たとえとして説明しやすい。
総労働人口、自動車の総保有台数は、
ともに、8千万(人、台)ということもある。
住基ネットが始まる前は、最大数の単一キーを持つデータベースだった。
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議論のある中、国民背番号がスタートしましたが、
個人情報の観点から見ると、ホロコーストの悪夢回避の為にも
しっかり、注目していく必要がるのは、述べたとおり。
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身近な自動車を例に、売買(=売掛管理)に与信審査の視点を加え、
個人情報とのかかわりを交えながら、みてみよう。
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販売先の顧客は、売掛管理の対象となり、同時に顧客管理の対象となる。 |
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顧客管理は、売掛管理対象客としての得意先管理と、取引見込客からなる。 |
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得意先管理は、既販売客との取引活発化による収益拡大をめざす。
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また、ここでいう得意先とは、
過去に、車両(新車、中古車)販売
車検、修理等のサービス関係
部品販売、自動車保険等で、取引したお客様。
支払は、売買(取引)代金を
全額(一括払い、分割払いで)支払った(売掛残高残高がゼロ)か
あるいは、支払中(売掛残高管理対象)のお客様のこと。
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売買と売上と売掛 … 経理(経営)上の管理と業務遂行上の管理
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「現金」で販売(売買)した場合でも、
経理(売上計上)上は、一端、全額「売掛」(売掛金勘定)をたてる会社が
多いのではないか。
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なぜなら、営業マンが、代金を「現金」で受け取ったとしても、
一日終わりに現金残高を数えて、確認する時、
つまり、日締め時に、銀行口座に入金されてなければ、
それは掛け売り状態だ。
もちろん、営業サイドからみれば、業務管理上、集金報告時点をもって
売掛(売掛金)回収済みとするだろう。
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この様に、多くの場合、経理上の売掛金管理と
営業サイドの売掛管理は、同じ言葉を使っても、違う意味になっている。
売掛回収は、二重管理をするぐらい、大事な管理項目なわけだ。
そして、売掛未回収分は、必ず、早期に全額回収されるべきものだ。
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昭和40年〜49年(1965年〜) 丸專手形の時代
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大衆車が、登場した昭和40年代初めより、
分割支払い方法として、丸專手形(個人対象の約束手形)が使われた。
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不渡り発生時には、セールスマンが、代金回収に走った。
延滞が長引くようになると、車両引き揚げもした。
丸專手形の金利は、販売会社の収入だった。
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社内には、債権管理部門があった。
長期売掛金は、セールスマンから移管され、債権管理部門が回収していた。
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損失の未然防止をはかるべく、長期売掛の顧客情報(ブラック情報)は
各販売会社間で、メーカー系列を超えて、交換されていた。
販売会社の長期売掛金とは、決まりは無いものの、概ね、6ヶ月以上だ。
現在、ネガ(ブラック)情報として、
信用情報センターに報告するのは、3ヶ月以上の支払遅れですから、
ずいぶんゆっくりとした、債権管理ではあった。
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運輸省からの登録情報分配データを見ると
自銘柄車両には、車庫証明の住所と登録名義人が載っていた。
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この情報を基に、車両の代替促進や、車検到来リストが作られ、活用された。 |
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この情報は、過去の事実だが、指示訪問リストとしては
時間の経過とか、変更が反映されないこともあり、精度が高くなかった。
時に応じて、活用されたものの、基本は、飛び込み訪問による新規開拓であった。
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したがって、顧客管理は手作業で、セールスマンが、手帳やノートを使って
各人それぞれのスタイルで行っていた。
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また、当時、「MIS」(マネジメントインフォメーションシステム)
という言葉でもてはやされた、第1次電算化ブームが始まった。
しかし、販売会社の大半に、電算化の波は、まだ、およんではいなかった。
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売るかどうかの判断は、販売マネジャーが、した。
ということは、与信審査は、「拡販重視」のスタンスだったといえよう。
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セールスマンは、興信所調査員の機能も兼ねていた。
訪問販売だったから
客先の玄関や、室内の整理整頓の状況把握から、始まり、
職業や、収入安定性等、お客の属性情報把握まで
かなりの情報が取得できまた。
しかし、販売競争が激しく、「売り」が、強く先行して、いた。
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結果として当然ですが、
得意先を数多く持っていたベテランセールスマンは、
その得意先から紹介販売で新規顧客客を獲得するので
客質も比較的良かったが
飛び込み中心の新人や、
整備業者から等の、紹介顧客に強いセールスマンからあがる受注は
客先の、情報が分からないまま販売したり、
分かったとしても、初取引のリスクを、かかえていた。
そのため、販売効率も不安定な上に、
納車後、不渡り時の代金回収などが発声し、
売掛回収に時間をとられる事も多く
販売活動が、停滞する事態を、多々招いたものだ。
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結果的に、売掛未回収分は移管されたものの、
「売り」先行の販売スタンスは、債権管理部門の負担増を、加速させた。
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