分割払い(後払い)の進化と個人情報 4
自動車販売(市場)の売掛管理機能分化にみる
(下記で背景が白の場合、売買を視野に入れて説明)
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平成7年〜現在(1995年〜) ローン、クレジット淘汰の時代
分割支払いの多様化
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超低金利政策の継続が、これほど続くとは、想像できなかった。
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固定金利と変動金利で借入は、どちらが有利か、とか、
年間の金利支払いは、こんなに違うといっていた話法は、
死語になったのかと思えるほどだ。
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丸專手形の方は、死語と言っていい状態。
販売会社は、ローンクレジットに完全移行した。
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あれほど騒がれた、手数料収入は、とても、確保できない。
低金利では、ローン、クレジット会社の利幅の妙味も限られる。
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競合という、消耗戦の継続で、
周辺利益を得るメリットが、少なくなっていった。
ローン、クレジットという購入手段は、
低金利で買いやすくする、という
車両の、「販売促進手段」に形を変えていった。
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いきおい、メーカーぐるみで、全国台の増販キャンペーンが企画されるなど、
メーカー系信販会社に有利な環境となってきた。
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こうして、新車市場をターゲットとする、営業から、
それ以外の、専業者の活躍する中古車や部品市場に、
自由競争の舞台が移りつつある。
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競争を通じて、ローン、クレジット自体も、次々と新商品が、生まれた。
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一定年限経過後の、下取り自動車の市場価格を算定し、
残存価格を除いて、融資するとか、
下取り車を買い取り保証するとか、
リース感覚のローン、クレジットも登場した。
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一方、 リース市場でも、
自動車の分割払い的(ローン、クレジット感覚の)新商品が投入され、
「新車が半値で買える」と盛んに売り込むようになった。
また、アメリカでの個人リースによる拡販実績が、
彼我の差がある中で、成功例として、
また、時には、失敗例として、 話題となった。
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信用情報センターは、着実に、進歩しました。( こちら 参照)
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センター間のネットワークの拡大を始め、ネガ情報以外の、
約定支払情報の共有化が、進められている。
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現在は「IT」(インフォメーションテクノロジー)時代。
折々で「MIS」とか「OA」といわれ、囃された、電算化ブームも、今や佳境。
誰でも、何処でも、誰とでも、オンラインの情報交換が、可能になってきた。
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信用情報センターの拡充と、システムの進化により、
審査自動化が進んでいる。
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与信審査業務は、
エラーリスト(チェックリスト)の確認作業といっては、
身もふたもない?
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誰が見ても融資を受諾できる案件は、自動化できる。
この部分は、人間であるが故の「見落とし」とか、錯覚等のミスを無くし
コンピュターならではの、長所が生かせる。
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裏を返せば、いわれたことしか出来ないのがコンピュータだ。
だから、出来ることしか、人間は、プログラムしない。
いわば、自己判断の出来ない「パー」が
(ひいき筋の肝いりで「パー」コンは、「パソ」コンと呼称変化?
それなら、「ワー」プロは「ワド」プロじゃない?)
処理できないと答えた結果が、
エラーリスト(チェックリスト)として出力だ。
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情報の組合せから「辞退」「受諾」を判断するとなると、人間の出番。
そのリストを「与信審査リスト」と呼ぶのは、
「辞退基準との照合検討用チェックリスト」と呼ばないのは、
人間にしかできない仕事としての、プライドがなせることだから、、だろうか。
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チェックリス(与信審査リスト)には
その金融法人の過去実績にから、
統計的に割り出された基準や、重みづけ、
また、自動計算された評価点等が、載っている。
これらが、判断に資することになる。
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もちろん、旧来からの審査手法も総動員し、
融資額に見合った、追加調査をかけながら、結論を出していく。
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さて、ここで、販売会社に目を転じてみると
与信審査能力は、退化し、
機能分化の結果、自己完結状態から、縁遠くなっている。
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こちら
にみるように、本当の現金購入割合は、
自動車販売の半数以下(4割)だ。
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そのせいだろうか、昔では考えられないことが起きる。
500万円を超える新型車を、納車して、すぐ、行方不明とか、、、
昔は、訪問販売で、セールスマンは興信所調査員役兼務。
今は、店頭販売で、素性が分からないまま、現金購入の口車に乗って、、、
与信せずに、店頭納車、、、そして、、、ドロン、、ということ。
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次は日常茶飯事。
新車はクレジットだから、見かけ上、現金販売、、、
しかし、その事故修理代は、クレジットを組まず、長期売掛中なんてことがある。
昔なら、新車の延滞情報は、
当たり前のように、サービス部門に伝えられていたのに
ところが、今は、断絶?。
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案の定、クレジット会社の方では、その「事故修理」の発生以前から、
「新車」の分割支払代金が、延滞中、となっているに違いない。
その情報は、個人情報だから、門外不出。
事故修理入庫時に、フィードバックすることができない。
なーんて、事態が、起きている。
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機能分化で、進歩したのか、退歩したのか。
各社のシステム、
つまりサブシステム内での情報管理精度は高まっているが、
皮肉なことに、 個人情報保護の下に、
社会という、トータルシステムで考えると、逆で、
少なくとも、延滞常習者には、暮らしやすくなっているのかも 。
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延滞常習者は、借りれるうちに、あらゆるところから、借り尽くし、
挙げ句の果ては、「無い袖は振れない」と開き直る。
こうした、約束不履行者に、便宜を図るために、
信用システムが進んでいるのだろうか?
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貸しすぎ顧客を増産した、「延滞」被害は、
自社システム内のみの被害を最小化すればそれでよいのか?。
貸しすぎ状態になる以前の、正常債権にたいして、
後乗りで、承知しながら、過剰融資し、
延滞債権化、償却債権化させることは、
社会全体としての、コスト(貸倒損失)を肥大化させている。
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いわば、社会の機能分化に乗じたとさえいえる、自己利益の追求例として、
バブル以後、後乗りで、消費者金融に乗り出し、拡販を進めるメガバンクは、
街金融と異なり、メガなるが故に、与える影響が恐ろしい。
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メガバンクの、金融業としての進化は、いわゆる、高利貸しにあるのではあるまい。 |
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光と陰はつきものですが、、、、
陰の増大に、寄与してほしくないものだ。
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